デニム

デニムの洗い方・穿き込み方(理想版)

デニムの洗い方・穿き込み方(理想版)

実は、日本経年変化協会に最も多いのがジーンズやデニムに関することなんです。 ジーンズの穿き込みに関しては、様々な専門誌や通説がありますよね。例えば 「ジーンズは洗っちゃ駄目だ!」 「洗うときは洗剤を使わない!」 「洗濯機で洗っちゃ駄目!手洗いだ!」 とか様々なご意見があります(゚ε゚)。 実際のとこどうなんでしょう?私は昔から比較的に色落ちが上手と言われます(笑)(ノω`*)んふふ♪。 私個人の意見としては、ジーンズとして広いカテゴリで見たとき、リジッドで現行のデニムを洗濯するのと、ヴィンテージを洗濯するのとでは、ジーンズの傷み具合から見ても洗い方は異なって当然だと思います。今回は広義の範囲で薀蓄を言うのではなく、条件を決めて日本経年変化協会のコンセプトに則った理想的な穿き方をご紹介いたします。その条件とは ・現行のデニムを穿き込む。 ・理想とする色落ちはメリハリのある色落ち の2点を満たす内容でご紹介いたします。なお、この方法は会長である私の経験上の法則です(笑)。   ジーンズの穿き込みは9ヶ月が勝負なんです!! そう、ジーンズの穿き込みとエイジングの関係は当協会では、9ヶ月が勝負だと考えております。私が新品のジーンズを穿き込むときはリジッドではなく、ワン・ウォッシュして糊を落としてから穿き込みます。サイズ調整も楽ですからね。 私が新品のデニムを穿き込むときは、こんな感じで穿き込みます。ポイントは。 ①残暑が緩和される10月に穿き込みを開始する。 ②9ヶ月間で洗濯するのは、3回のみ。 ③洗濯は洗剤を使って洗濯機で洗うべし です。それではもうちょい具体的に解説を。   ①残暑が残る10月に穿き込みを開始する よく、 「汗をたっぷりかいてジーンズに染み込ませて」 と言いますが・・・。正直不衛生ですね(笑)。汗をかくと臭いも染み付きますから、頻繁に洗濯しないと汚いです。頻繁に洗濯するとメリハリのある色落ちはできません。フンワリと全体的に色落ちをします。それが好きって方は頻繁に洗濯するがよろし。 メリハリのある色落ちのポイントは、 如何に最低限の洗濯回数で長時間穿き込むか! が焦点になると思います。色落ちはデニム生地のヨレで濃淡のエイジングが発生しますので、穿き込み期間は必要です。つまり、汗をかきにくい秋~冬にかけて徹底的に穿き込むことが自然になってきました。冬場新品のデニムは温かいですし(笑)。   ②9ヶ月間で洗濯するのは3回のみ 4ヶ月で1回目の洗濯。その3ヶ月後に2回目の洗濯。その2ヶ月後に3回目の洗濯を理想としています。 そうするとこの程度のメリハリある色落ちはどのブランドでもある程度出せます。ちなみに私の穿き込みペースは4回/週です。毎日穿きたいですけど、色んなファッションを楽しみたいので(笑)。洗濯する間隔が徐々に短くなるのは、週4回のペースで穿き込んだ場合、4ヶ月たった時点でヒゲの傾向が中央からセルビッチあたりまで放射状にくっきりつくので洗濯すると。 この程度のアタリは付きます。全体的に色落ちはしませんが、皺が消えることはありません。 後は春の5月に洗って、梅雨明けに洗うとメリハリある色落ちになっています。   ③洗濯は洗剤を使って洗濯機で洗うべし ちなみに、洗濯に関しては洗剤を使って洗濯機で洗いましょう!不衛生だからと言うのもありますが、メリハリのある色落ちは白と青のコンストラクションだと言えます。水洗いだけだと、汚れが落ちきれず、黄色とか緑がかったデニムになってしまうことがあります。ちなみに私は穿き込みから1回目の洗濯だけ乾燥機をかけます。2回目以降は天日干しです。 あくまでも理想的な方法です。大まかに 秋から9ヶ月間穿き込んで、9ヶ月の間に洗濯機と洗剤で3回だけあらう って認識してて大丈夫だと思います。 皆様の自慢の一本をお待ちしております。 … 続きを読む

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デニム用語解説

デニム用語解説

デニムやジーンズを語る上で、比較的よく使われる用語をまとめておきます。 ステッチ 一言で表現するとステッチとは糸の縫製のことでジーンズ各所に見受けられます。 とくにジーンズだけの世界ではなくて,刺繍や手芸の世界で用いられる意味と同じだと思います。 強いてジーンズの世界で言うなれば,ステッチがあえて注目されるのはリアポケット(ジーンズのお尻のポケット)部分のステッチです。この部分はジーンズメーカーによって異なるデザインをされているため,ジーンズ愛好家はステッチデザインを見て, 「オッ!このジーンズは〇〇だな」 と分ってしまうほどです(笑)。 またジーンズ購入時の裾上げ後もステッチが見受けられますが,こだわりのショップなどであれば,チェーンステッチと呼ばれる特殊なミシンで通常を一手間かけた手法を用いて多くのデニム愛好家が支持していることもあります。   パッチ ウエストバンドの右後ろ部分にあるラベルがパッチです。一般的にブランド名,サイズ,型式が表記されています。 材質は紙や動物の革が用いられることが多く,パッチの材質によってパッチそのものが経年変化によりエイジングします。そのため,コアなジーンズ愛好家は,パッチの材質にもこだわる傾向があるようです。 私はレザーのパッチが大好きでジーンズの洗濯を繰り返しレザーが激しくエイジングするが溜まりません。 レザー製の場合カウハイド(牛革)が一般的ですが近年では各メーカーから様々なレザーパッチを装着したデニムがリリースされています。ディアスキン(鹿革)やパイソンレザー(蛇革)などもありレザーの特徴によってエイジングが異なるのでパッチに注目してジーンズを穿き込むのも面白いかもしれません。   コインポケット ジーンズの前右ポケットに付いている小さなポケットがコインポケットです。 ジーンズの5つ目のポケットでジーンズのことを5ポケットパンツと表現することがあります。 別名ウォッチポケットと言われており,ジーンズが発明された当初,腕時計たるものがなく,当時は懐中時計を用いており,懐中時計を入れておくポケットだと言われています。 私的には当時のカウボーイ達は時計より小銭をいれていたのか,もしくはライター(ジッポーライター)を入れていたのではないかと思います。ヴィンテージジーンズの多くがジッポーの形状にアタリの出たものが多いからそのように個人的には推測しています。 どちらにしろコインポケットの用途は今日では少なく,ジーンズのエイジングを語る上でもあまり重要視されていないように思います。昔の名残いわば人間の尾骶骨みたいなものでしょうか(笑)。   リベット ポケットの端など力のかかる部分を補強するために打ち込まれた鋲のことをリベットと言います。金属製で最近は主にアルミが素材として用いられていますが、誕生初期は鉄や銅、ニッケルの合金が使われていました。現在はカンヌキと呼ばれるバータック(ジグザグのステッチ)が主流になっています。 リーバイス・ストラウス社がジーンズのパイオニアとして広く普及したのはその耐久性が評判となったことですが,耐久性の裏側にはリベットの存在が大きいでしょう。 実際に車などが普及してからリベットで車のシートなどを傷つけないようジーンズ裏側からリベットを打ち込む手法などが開発され,それを隠しリベットとも呼んでいます。ファッションデザインだけではなく,ジーンズの機能向上で用いられている地味ですが,非常に有難いパーツなのです。   セルビッチ セルビッチは通称”耳”と呼ばれるものです。 現行モデルのジーンズにはセルビッチは装着されていません。理由としては縫製技術が大きく進歩したためです。セルビッチの従来の役割は旧型織機でデニム地を織る際に、 生地末端のほつれをなくす役割を果たしていました。 デニム愛好家はヴィンテージのレプリカデニムを穿き込むことが多く,アタリでセルヴィッチが浮き出てくることを好むため重要なパーツになっています。お洒落でロールアップして見せたがる人も多いようですが。失われた技術でモノ造りでジーンズを縫製するのであればセルビッチも失われた技術になるのかもしれません。     アタリ ヒゲとはジーンズの特定の部分のアタリを示す言葉で、股から外に放射線状に広がったアタリのことです。見た目が動物のヒゲのように見えたことから、ヒゲと呼ばれるようになりました。 また、この表現はデニムだけでなく、レザージャケットなど革製品に用いることから、使い込んで傷んだ部分とそうでない部分との比較的な表現として広義の意味で用いられることもしばしばあるようです。 【用語使用実例】 ・「アタリが出てきた」 ・「セルビッチにアタリが出てきた。」 … 続きを読む

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経年変化とエイジングについて

経年変化とエイジングについて

  経年変化とは? 経年変化とは,読んで字の如く「年を重ねるごとに変化していく様子」であり,辞書で調べてみると「年月が経つうちに製品の品質・性能が変化すること。特に、摩耗・腐食などで性能が劣化すること。」と記されています。我々の日本経年変化協会では製品を長年使用することによる製品の変化と定義したいと思います。 エイジングとは? 私たちは度々,「経年変化によるエイジング」と表現することがあります。アメカジ系列のファッション雑誌などを開くと良く目にする表現です。 ところで”エイジング”と言う単語は実は日常生活で度々耳にしたことはありませんか?私は男性ですが,女性の方が良く耳にするかもしれません。”エイジング”と単語は大きく二つの意味があります。 そう,1つは美容業界で使われる時,”エイジング=老化”と言う定義で用いられます。語源が英語のageから来ているからだと言われています。女性はきっと美容業界で耳にしているはずです。老化防止をアンチ・エイジングと表現しています。老化と耳にしてそこに価値を感じるのは稀だと思います。 もう1つはワインやウィスキーなどのお酒の業界で用いられることがあります。その時は”エイジング=熟成”と言う定義で用いられます。熟成されたワインは美味しいと表現しますね。 そう考えると製品にエイジングという表現は造語になるのですが,おそらく美容業界の意味ではなく,後者の”エイジング=熟成”と言う定義が近い意味でしょう。 デニムでは,デニムの穿き込んだ時の風合いが高く評価されることがあります。ヴィンテージデニムなどは典型的な例でしょう。今ではユーズド加工と呼称してわざと穿き古した加工を施されています。何年も穿き込んで経年変化したデニムを美しいと感じるのであれば熟成であると私は考えています。 そこで我々の日本経年変化協会ではエイジングの定義を長年愛着を持って製品を使用した際,経年変化により製品の風合いが熟成された美しいと思われる状態と定義したいと思います。    

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